転職の自己分析は新卒とどこが違うのか|経験の棚卸しから始める

目次

この記事の要点

  • 新卒の自己分析は「これから何ができそうか」を推測する作業、転職は「実際に何をしてきたか」から始める作業です。
  • 転職では、性格の掘り下げより先に、職務経験の棚卸しをするほうが効率的です。
  • 棚卸しは「やったこと」ではなく「判断したこと」を書き出すと、面接で使える形になります。
  • 性格傾向は、棚卸しの結果を解釈する補助線として後から使います。

出発点が違う

新卒就活の自己分析は、職務経験がない状態で「自分はどういう人間か」「どんな仕事に向いていそうか」を推測する作業です。学生時代の経験や性格から、将来を仮説として組み立てます。

転職の自己分析は、ここが決定的に違います。すでに何年か働いた実績があり、そこに材料がそろっています。推測する必要はなく、事実を整理すればよい。

にもかかわらず、転職の自己分析でも新卒と同じように「自分史を書く」「モチベーショングラフを作る」ところから始めてしまい、時間だけかかって手応えがない、ということが起こりがちです。

転職では、順番を変えたほうが早く進みます。

手順1:直近3年の仕事を、判断した単位で書き出す

まず、直近3年程度の仕事を書き出します。このとき、「担当業務」ではなく「自分が判断したこと」の単位で書くのがコツです。

よくない例:

既存顧客の対応を担当

これでは、誰がやっても同じ文になります。次のように書き換えます。

解約が続いていた既存顧客20社について、訪問頻度を上げるより先に、解約理由を過去2年ぶん洗い出すことを提案した。上長は訪問強化を想定していたが、データを見せて方針を変えてもらった。

ここには、何を問題だと考え、何を選び、誰をどう動かしたかが入っています。面接で聞かれるのはこの部分です。

書き出す量の目安は、3年で10件程度。1件3〜5行で十分です。

手順2:うまくいった/いかなかったを分けない

棚卸しの際、成功体験だけを集めようとすると手が止まります。うまくいかなかった仕事のほうが、判断の跡がはっきり残っていることが多いためです。

分けずに、まず全部書き出してください。評価は後回しにします。

手順3:共通する条件を探す

10件ほど並んだら、次の2つの視点で眺めます。

  1. 集中できた仕事に共通する条件は何か(人数、裁量の範囲、期間の長さ、進め方が決まっていたかどうか)
  2. 消耗した仕事に共通する条件は何か

ここで出てくるのは、職種名ではなく働き方の条件です。「営業が向いている」ではなく、「関係を長く続ける相手のほうが力が出る」「同時に扱う案件が3件を超えると精度が落ちる」といった粒度になります。

転職先を選ぶときに効くのは、職種名より、この条件のほうです。

手順4:性格傾向を補助線として重ねる

ここまで来てはじめて、性格傾向の出番です。

棚卸しで見えた条件と、性格検査の結果を並べてみます。多くの場合、両者は一致します。「少人数の深い関係のほうが力が出る」という実感と、外向性が低めという結果が一致する、といった具合です。

一致したときの効果は、自分の実感に説明がつくことです。面接で「なぜその働き方が合うと思うのか」と聞かれたときに、経験と傾向の両方から答えられます。

一致しなかった場合も情報になります。「チームで動くのが得意だと思っていたが、チーム志向は低めに出た」というとき、棚卸しを見直すと、実はチームで動いた仕事より個人で完結した仕事のほうが集中できていた、と気づくことがあります。

順番が大事です。先に性格検査を受けて、その結果に自分を当てはめようとすると、経験のほうを歪めて解釈してしまいます。棚卸しが先、傾向は後です。

やらなくていいこと

転職の自己分析で、時間をかけなくてよいものもあります。

  • 幼少期からの自分史:新卒では有効ですが、職務経験があるなら直近の仕事のほうが情報量が多い
  • 「本当にやりたいこと」の探索:やりたいことが明確な人ばかりではありません。「消耗しない条件」が分かれば、当面は十分です
  • 強みを1つに絞る作業:面接では複数の場面で聞かれます。無理に1つへ絞る必要はありません

まとめ

  • 転職の自己分析は、推測ではなく事実の整理から始めます。
  • 直近3年の仕事を「判断したことの単位」で10件ほど書き出します。
  • 集中できた条件・消耗した条件の共通項を探すと、職種名より役に立つ基準が出ます。
  • 性格傾向は、棚卸しの後に補助線として重ねます。順番を逆にすると経験の解釈が歪みます。

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なお、結果は自己理解のための参考情報であり、特定の職業への適否を判定するものではありません。

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