書類選考を1件3分で終わらせる読み方の順番

書類選考を1件3分で終わらせる読み方の順番
書類選考を1件3分で終わらせる読み方の順番

応募が届いてから返信するまでに、何日かかっているでしょうか。読む作業そのものは1件あたり数分のはずなのに、実際には3日も4日も止まっている。専任の人事がいない会社では、めずらしい話ではありません。

この記事では、書類選考を「1件3分」で回すための作業手順だけを扱います。どこを何秒で見るか、決めきれなかった書類をどう処理するか、見送り理由をどう記録するか、返信までの日数をどう決めるか。明日の朝からそのまま使える形で並べていきます。

目次

書類選考に時間がかかる会社で起きていること

遅れの正体は「読むのが遅いこと」ではありません。実際に止まっているのは、読む前と読んだ後です。読解力ではなく段取りの問題として扱ったほうが、早く直ります。

Indeed Japanが人事・採用担当者1,647名に行った「採用担当者の業務実態」に関する調査(2021年12月21日発表)では、「人事業務」だけに携わったと答えた人は27.6%にとどまり、残る72.4%は総務や労務など人事・採用以外の業務も兼務していました。同じ調査で、採用業務の課題として「書類選考のコスト(時間、人手)などがかかっている」を挙げた人は19.5%です。書類選考は、他の仕事の合間に差し込まれる前提で組み立てる必要があります。

時間が溶けているのは、たいてい3か所です。応募通知が個人の受信箱に埋もれて気づくのが遅れる。誰が読むかが決まらず、現場に転送したまま返事を待つ。読み終わったのに、返信文を書き始めるのが後回しになる。どれも読む作業そのものとは関係がありません。

まず現状を数えてください。直近10件の応募について、応募が届いた日と、こちらから最初に返信した日をカレンダーに並べます。差が3営業日を超えた件が半分以上あるなら、この記事の手順を入れる価値があります。半分未満なら、手を入れるべきは書類選考ではなく別の工程です。

なお、応募の受信から最初の連絡までの時間については、応募者への一次連絡は何時間以内に送るべきかで扱っています。

どこを、どの順で読むか

ここから示す時間配分は、当社が提案する目安です。読む順番の原則は1つです。自分の主観が入らない項目から先に読む。勤務地や雇用形態のように、合うか合わないかが一目で決まる項目を先に片づけると、迷う時間が後半にまとまります。逆に志望動機から読み始めると、最初の印象を引きずったまま経歴を追うことになります。

経過時間見る場所その場ですること
0〜30秒勤務地・雇用形態・入社可能時期・必須資格募集条件と物理的に合わない項目があれば、ここで読み終える
30秒〜1分30秒直近3年の職務内容と役割募集している仕事と重なる作業を2つ探す
1分30秒〜2分30秒在籍期間の推移と担当範囲の変化気になった点を、そのまま質問文の形でメモする
2分30秒〜3分志望動機・自己PR面接で聞きたいことを1つ書き出す
3分経過時点通過か見送りかを口に出して決め、管理表に入力する
1件3分の内訳(応募書類を開いてからの経過時間)

経歴は過去からではなく、直近3年から読みます。古い職歴は、いまできることを説明する材料としては弱く、必要なら面接で聞けば足ります。直近3年のなかに、募集している仕事と重なる作業が2つ見つかるかどうか。これが真ん中の1分間の作業です。

志望動機と自己PRを最後に置くのは、文章のうまさが書類作成の慣れに左右されやすいためです。ここは合否を決める場所ではなく、面接で聞くことを拾う場所として扱ってください。3分の終わりに、面接で確認したいことを1つ書けたなら、それは通過の合図です。

転職回数が多い、在籍期間が短い、空白期間がある。こうした項目を、その場で減点として処理しないでください。事情は書類に書かれていないことが多く、環境が変われば力を発揮する場面も変わります。気になった点は「どういう体制の職場でしたか」「引き継ぎはどなたから受けましたか」のような質問文に変換して、面接に持っていきます。

なお、そもそも何をもって「合っている」とするかの言語化については、採用ペルソナ設計を適性検査の数値に落とし込むで扱っています。また、応募書類で把握してはいけない事項(本籍や家族の職業など、応募者の適性・能力に関係のない事項)については、別記事で扱います。

この「気になった点を質問に変換する」作業を毎回ゼロから行うのが負担であれば、TekiLens(適レンズ)では、検査結果と職務要件の差から、面接で深掘りしたい点と質問案を提示します。書類選考のあとに使う道具として考えてください。

「保留」を作ると選考が止まる

書類を読み終えて「保留」に置いた瞬間、その1件は止まります。保留は判断ではなく、判断を先送りするという選択にすぎません。そして保留フォルダは、作った分だけ埋まっていきます。

止まっているあいだ、応募者は他社の選考を進めています。マンパワーグループが企業の人事担当者400名に行った調査(2024年2月実施)では、内定までのリードタイムが原因で応募者から辞退されたことが「ある」と答えた人が32.5%、「まれにある」が36.5%でした。「かなりある」を含めると8割を超えます。迷っている数日は、こちらが考えている時間であると同時に、相手が他社に決める時間でもあります。

そこで、3分たっても決まらなかったときの問いを1つだけ用意します。「面接で確認したいことを1つ書けるか」。書けたなら通過、書けないなら見送りです。この一問だけで、保留に置きたくなる件のほとんどはその場で片づきます。

  • 現場の責任者に意見を聞きたい:聞く相手と返事の期限(翌営業日まで)を書類に書き添え、期限が来たら返事の有無にかかわらず自分で決めます。
  • 他の応募者と並べて考えたい:比べるのは同じ週に届いた分までにします。来週届く人と比べようとすると、いつまでも決まりません。
  • 条件が1つだけ足りない:その条件が本当に必須かどうかは、求人原稿の側で決着させます。書類ごとに毎回考え直さないようにします。
  • 現場が忙しくて面接枠が空いていない:面接日程の確保と書類選考は別工程です。枠がないことを理由に書類を寝かせないでください。

そのうえで、そのうえで、管理表のステータスから「保留」を一度外して回してみてください。「未読」「通過」「見送り」「返信済み」の4つがあれば、書類選考は回ります。選べない場所には、置けません。

見送り理由を1行で残しておく

見送りを決めたら、理由を1行だけ残します。手間に見えますが、後で効いてくる場面が4つあります。応募者から問い合わせが来たとき。同じ方が半年後に再応募してきたとき。求人原稿を書き直すとき。そして、来月から別の人が書類を読むことになったときです。

書き方の決まりは3つです。30字以内に収めること。人物の印象ではなく、募集内容との関係で書くこと。そして、本人に見せても説明できる言葉を使うことです。「印象が弱い」は、3つとも満たしていません。

判断の場面残さない書き方残す書き方
経験が足りない弱い、物足りない必須の〇〇の実務経験の記載なし
勤務条件が合わない合わなそう希望勤務地が募集拠点と異なる
入社時期が合わないタイミングが悪い入社可能時期が募集より3か月遅い
迷ったが通過にした微妙通過。〇〇の担当範囲を面接で確認
1行メモの書き方(30字以内・本人に見せても説明できる言葉で)

月末に、その月の理由を並べて数えてください。同じ理由が3割を超えていたら、手を入れるべきは読み方ではなく求人原稿です。たとえば「必須の〇〇の実務経験の記載なし」が並ぶなら、募集要項のなかで必須と歓迎の区別が伝わっていない可能性があります。「希望勤務地が募集拠点と異なる」が並ぶなら、勤務地の書き方か配信エリアの設定を見直します。

なお、応募書類は採用選考のために受け取った個人情報です。選考の目的の範囲で使い、保管期間と廃棄の方法を先に決めておいてください。個人情報保護法でも、利用する必要がなくなった個人データは遅滞なく消去するよう努めることが求められています。1行の理由メモも、同じ扱いになります。

返信までの日数を決めてから読み始める

最後に、読み始める前に決めておくことがあります。返信までの日数です。締切を置かないまま読むと、どれだけ手順を整えても、返信は他の仕事に押し出されていきます。

決め方は単純です。応募が届いた日を0日として、通過連絡は翌営業日まで、見送り連絡は3営業日以内。この2つの数字を先に置きます。そのうえで、読む時間を週2回の固定枠にします。たとえば火曜と木曜の始業後30分。1件3分×10件で30分ですから、週20件までならこの枠に収まります。

書類選考の先にある面接の回数と、応募から内定までの日数の決め方は、面接は2回か3回か、選考にかけられる日数から決めるで扱っています。

枠に収まらない量が続くなら、それは読み手を増やすか、募集の出し方を変えるかを検討する合図です。読む速度をさらに上げて解決する問題ではありません。逆に、枠が余っているなら応募数のほうに手を入れます。

見送りの連絡を出さない運用は、目先の手間は減りますが、再応募・知人紹介・口コミの機会をまとめて手放すことになります。定型文で構いません。応募への礼と、選考の結果と、書類の取り扱いの3行で足ります。

書類選考の手順を整えたうえで、面接で何を確認するかまで含めて組み立て直したい場合は、TekiLensのサービス内容資料もご覧ください。自社の採用の流れに合うかどうかは、お問い合わせからご相談いただけます。

よくある質問

応募が一度に20件まとまって届いたときも、同じ手順でいいですか。

手順は変えず、読む枠を増やして対応します。20件なら3分×20件で60分ですので、固定枠を2回分まとめて確保するのが現実的です。届いた順に処理し、後から届いた分を先に読むことだけは避けてください。待たせている人ほど、他社の選考が進んでいます。

現場の責任者にも読んでもらう場合、どう回せばよいですか。

全件を回さず、こちらで通過にした分だけを渡す形にしてください。現場に渡すときは「いつまでに」「何を答えてほしいか」を1行で添えます。期限までに返事がなければ面接を設定する側に倒して先に進める、と最初に合意しておくと止まりません。

見送りの連絡は、必ず送ったほうがよいですか。

送ることをおすすめします。連絡がないまま放置された経験は、会社名とともに記憶に残りやすく、将来の応募や紹介の機会を失うおそれがあります。文面は定型で構いませんが、他社名や他の応募者の情報が残らないよう、テンプレートの使い回しには注意してください。

不採用になった方の応募書類は、いつまで保管すればよいですか。

法律で一律に決まった年数はないため、自社で保管期間を定めて運用するのが基本です。再応募時の参照に使うなら「1年」など期間を明示し、応募者に伝えたうえで期限が来たら廃棄します。期限を決めないまま持ち続ける状態は、後から説明がつきにくくなります。

3分で読み切ると、見落としが出ませんか。

3分という区切りは、判断を短くするためではなく、決めきれない書類を先送りしないために置いています。迷ったときは「面接で確認したいことを1つ書けるか」を問い、書けたら通過へ倒す。この一方向の決め方にしておけば、速さが取りこぼしにつながりにくくなります。

参考にした資料

TekiLens(適レンズ)の機能・料金・活用イメージは、サービス資料で詳しくご覧いただけます。採用に関するお悩みは、無料相談で承っています。

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