面接は2回か、3回か。選考にかけられる日数から決める

面接は2回か、3回か。選考にかけられる日数から決める
面接は2回か、3回か。選考にかけられる日数から決める

面接を1回増やすという判断は、その場ではいつも正しく見えます。もう一度会えば分かることがある、社長にも会わせておきたい。社内で反対されにくい理由ばかりです。ところが数か月後に振り返ると、返事が遅れた候補者から辞退の連絡が続いている。そんな心当たりはないでしょうか。

この記事では、面接の中身には一切触れません。回数・登場人物・所要日数という選考の外形だけを扱います。読み終えたときに、自社の面接を2回にするか3回にするかを、その場の感覚ではなく日数の計算で決められる状態を目指します。

目次

面接回数を増やすほど失うもの

面接を1回増やしたときに増えるのは、面接の時間だけではありません。候補者との日程調整のやり取り、面接官の予定確保、実施後の合否連絡。ここまで含めると、1回の追加はカレンダー上で1日ではなく1週間前後の追加になります。

転職サイト『type』などを運営するキャリアデザインセンターが2024年10月から11月にかけて実施した中途採用担当者向けの調査(有効回答117社)では、応募から内定出しまでの期間が3週間以内に収まっている企業が7割を占め、最も多い回答は「2週間以内」で30%でした。3週間は営業日にすれば15日ほどです。書類選考と3回の面接で4つの工程を組むなら、1工程に使えるのは4営業日弱。その中に日程調整、面接の実施、社内での合否確認がすべて収まる計算になります。

候補者から見れば、面接の回数は判断を保留される回数でもあります。工程が増えれば、他社の選考と重なる地点も、連絡を待つ時間も増えます。回数を増やす判断は、その分の日数を自社が負担できるかとセットでなければ成立しません。

議論を始める前に、自社の実測値を出してください。直近で採用した3人分について、応募日・書類の通過連絡日・各面接の実施日・内定通知日をカレンダーに並べます。工程と工程の間が何日空いているかを数えれば、まだ増やせる余地があるのか、すでに限界なのかがその場で分かります。

回数を決める2つの条件

面接回数は「何を確かめたいか」からは決まりません。確かめたいことは、考えれば無限に出てくるからです。決まるのは次の2つからです。ひとつは、採否に対して拒否権を持つ人、つまりその人が反対すれば採用が止まる立場の人が何人いるか。もうひとつは、その全員を通すのに何日使えるかです。

  1. 採否に対して拒否権を持つ人を紙に書き出す(例:現場責任者、部門長、社長)
  2. 各人について「自分が会わないと判断できない」か「他人の報告で判断できる」かを○×で付ける
  3. ○が付いた人どうしが、同じ時間帯に同席できるかを確認する
  4. 同席できる人は1コマにまとめる。まとめきれずに残ったコマ数が、必要な面接回数
  5. 出た回数に、先ほど実測した1工程あたりの日数を掛け、応募から内定までの上限日数に収まるかを確かめる

上限日数は他社が決めるものではなく、自社が先に決めるものです。「応募から内定通知まで14営業日以内」のように数字で置き、そこに工程を入れていきます。掛け算が上限を超えたら、回数を減らすか、1工程あたりの日数を詰めるかの二択です。増やした回数に合わせて上限のほうを延ばす、という順番だけは避けてください。

この○×を付けると、拒否権を持つ人が想定より少ないことに気づく場合があります。逆に3人以上出てきたときは、面接回数の問題ではなく、誰がどこまで決めてよいかが決まっていない可能性を先に疑ってください。

2回にする場合と3回にする場合

マンパワーグループが2017年2月に実施した調査(中途採用を行っている企業の人事担当者251名が回答)では、中途採用の面接回数は「2回」が48.2%で最も多く、次いで「1回」が34.3%、「3回」は15.5%、「4回以上」は2.0%でした。数年前の調査であるため最新の実勢とは差がある可能性はありますが、2回を基準線とし、3回は少数派という分布が読み取れます。

確認する項目2回で足りる場合3回に分ける場合
採否を決める人実質1人、または全員が同席できる2人以上いて日程が合わない
配属先1つに決まっている複数候補があり部署間の調整が要る
募集の急ぎ具合欠員補充で早く埋めたい増員で入社時期に幅がある
応募の集まり方月に数件で1件ずつ進められる応募が多く途中で絞る工程が要る
面接官の稼働現場責任者が面接に出られる現場が出られず人事が一次を代行する
面接回数を決めるときに見る5項目(該当が多いほうを選ぶ)

迷ったときは2回から始めてください。3回目を足すのは、2回で決めきれずに保留が続いた事例が実際に出てからで間に合います。先に3回で組んでしまうと、必要のない案件でも毎回3回分の日数を消費します。

3回にすると決めた場合は、3回目を合否の場にしないという選び方もあります。2回目までで採否をほぼ固め、3回目は職場を見てもらい、条件と入社日をすり合わせる場に充てる。工程は3つでも、候補者にとって結果を待つ回数は2つに減ります。

なお、1回の面接の中で候補者に何をどれだけ渡すかという時間配分は、面接の60分を、何にどれだけ使っているかで扱っています。

役員のスケジュールで選考が延びるのを防ぐ

選考が延びる原因は、面接の回数そのものより、役員や社長の予定が空くのを待つ時間にあることが少なくありません。候補者が現れてから予定を探すと、その調整だけで1週間から2週間が消えます。回数を減らさなくても、この待ち時間を先に潰せば日数は縮みます。

東京商工会議所が2025年1月に実施した「2025年新卒者の採用・選考活動動向に関する調査」(回答270社)では、「厳しい採用環境である(採用が困難)」と評価した企業が96.4%、内定・内々定の辞退者がいると回答した企業が73.1%でした。新卒採用を対象とした調査ですが、候補者が複数社を並行して検討しているという点は中途採用にも通じます。待たせた日数は、そのまま他社に検討される時間になります。

  • 毎週の固定枠を先に押さえる(例:毎週水曜15時〜17時を採用枠として通年でカレンダーに登録する)
  • 代理のルールを決める(役員が出られない週は誰が代わり、どこまで決めてよいかを1行で明文化する)
  • 待ち日数の上限を決める(例:次の面接まで5営業日以上空くなら、その回を省いて次の工程へ進める)

今週できることは1つです。次の経営会議で「毎週◯曜の◯時から2枠を採用面接用に空けてほしい」と依頼し、その場で通年のカレンダー登録まで済ませる。候補者がいない週は他の用件に使ってよい、という条件を付ければ通りやすくなります。

決めた工程は応募前に開示して、途中で足さない

回数と上限日数を決めたら、応募者に見える場所に書きます。求人情報の選考フロー欄と、応募後に送る最初の返信に「面接2回」「応募から内定通知まで最短10営業日」と明記する。書いた瞬間に社内で回数を足しにくくなる、という副作用のほうが本命です。

それでも選考の途中で「もう一度会いたい」という声は出ます。そのときは回を足すのではなく、既存の回に人を足してください。二次面接に役員が同席する形にすれば、工程は2つのままです。追加を認める例外は1つだけ決めておきます(例:選考中に配属先が変わったとき)。

面接の回数を絞ると、候補者と過ごす総時間は当然短くなります。その分を書類以外の材料でどう補うかについては、『中小企業の採用・適性検査ガイド』で扱っています。当社が提供するTekiLens(適レンズ)も、面接の前に手元へ置いておく材料のひとつです。機能と料金は /business/ に掲載しています。

工程を決めたら、3か月後に一度だけ見直してください。見るのは中身ではなく外形です。応募から内定通知までの実測日数、辞退が起きた工程、面接官が欠席した回数。この3つを数えるだけで、回数を増やすべきか減らすべきかを数字で判断できます。

よくある質問

一次をオンライン、二次を対面にすると、回数が増えたことになりますか。

いいえ。数えるのは実施形式ではなく工程の数です。候補者が結果を待つ回数が2回であれば、オンラインと対面を組み合わせても2回として扱ってください。

応募が月に1〜2件しかない職種でも、面接は2回必要ですか。

拒否権を持つ人が1人で、その人が最初から面接に出られるのであれば、1回でも構造としては成立します。判断材料が足りないと感じる場合は、回数を足す前に、1回の面接時間を長めに取る、同じ日に現場を見てもらう時間を組み込む、といった方法から検討してください。

面接官が社長1人しかいない小規模な会社では、どう考えればよいですか。

拒否権を持つ人が1人であれば、面接は1回で足ります。ただし社長の予定が唯一の制約になるため、週の固定枠を先に押さえることの優先度が他社より高くなります。代理で判断できる範囲を決めておくと、出張や繁忙期に選考が止まりません。

パート・アルバイトの採用でも同じ考え方でよいですか。

考え方は同じですが、上限日数はより短く置いてください。応募者が同時に他の求人も検討している前提で、工程は1回、決裁は現場責任者に任せる形を基準にすると動かしやすくなります。

回数を減らすと、入社後に「話が違う」と言われませんか。

回数を減らすこと自体が原因になるわけではなく、減らした分の情報をどこで補うかが分かれ目です。職場見学や現場社員との面談など、合否を伴わない接点を1つ置く方法があります。入社前に仕事の実際を正直に伝える進め方は、『採用ミスマッチの理由は「面接の嘘」?RJPで離職を防ぐ採用リデザイン』(詳しくはこちら)で扱っています。

参考にした資料

本記事の数値および制度の記載は2026年8月時点の公表資料にもとづきます。最低賃金のように毎年改定される項目や、法令の改正が予定されている項目については、必ず最新の公表資料と所轄の労働局等でご確認ください。

TekiLens(適レンズ)の機能・料金・活用イメージは、サービス資料で詳しくご覧いただけます。採用に関するお悩みは、無料相談で承っています。

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